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そうした考えを無くすように頭を振るうと、問題の緑水荘が見えてきた。
既に何台かの車とパトカーが、緑水荘を取り囲んでいる。
遅い時間帯にも関わらず、何人かの野次馬の姿まであった。
少し手前でタクシーを降りると、後輩刑事の滝沢が駆け寄ってくる。
肩幅の広い長身をドシドシと揺らしながら、「お疲れ様です」と、頭を下げた。
「どうだ...死因はでたか?」
「今さっき、鑑識も終わりました。死因は、ショック死になるようですね」
「ショック死?」
「はい」と、短い声をあげると、滝沢は胸ポケットから手帳を取り出した。
「感電による電気ショックのようです」
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