2620人が本棚に入れています
本棚に追加
/323ページ
遺体から、倒れた間接照明までの尺を目測すると、手を伸ばせば届く範囲にある。
「この間接照明も、だいぶ劣化していますからね。コードも千切れる寸前だったんじゃないですか」
「他に変わった点はあったか?」
「見ての通り、周辺に争った形跡はありません。遺体には外部からの損傷も見つかっていません」
「そうか」と、五十嵐は目と鼻の先に流れる小川に目線を向けた。
緩やかに流れる小川のせせらぎが聞こえてくる。
こんなことが起きていなければ、さぞかしのんびりと入浴が楽しめただろう。
目を細めて自然豊かな周辺を眺めたときだった。
視界にキラリと光る何かが入った。小川の岸辺からだ。
.
最初のコメントを投稿しよう!