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滝沢も、自分は知らない...と、いった様子で、顔の前で小さく手を振っている。
「うちの修行僧が、この民宿に泊まる予定だったのだが、どうやら不幸があったようだな」
ボソリと呟く照玄に、そういうことか...と、頷いた。
つまり、保護者として子供を引き取りに来たという訳だ。
「いやいや、だとしてもどうやってここに入ったんだ? 入り口で止められたはずだろ」
「なぁに、仏さんに手を合わせたいと伝えたら、通してくれたよ」
ニヤリと口角を持ち上げる照玄に溜め息を吐いた。
一般人を安易に現場に入れてはいけないことくらい解るはずだ。
適当な仕事をしている担当警備に腹が立った。
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