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第1の巻き…殿様の秘密…
高層ビルが建ち並ぶ江戸市中を見下ろすように、更に高い高層ビルの中に囲まれた城がある。
ここは、江戸城。
江戸幕府を治める将軍が住む居城であり、全ての政治を担う日本の国の中枢機関だ。
本丸御殿、将軍の間。
一人の青年が、寝間着から…有名メーカーの青ジャージに着替えていた。
「よし、わしは何を着てもバッチリ似合っておるな!」
手鏡を見て、青年は自分の姿を確認しクスッと笑う。
金色の腰まである長い髪、前髪に赤メッシュが入っており…
切れ長の金色の瞳、端正な顔立ちの青年。
第30代将軍、徳川龍経(20)。
頭脳明晰、文武両道と…将軍としては申し分ないが…破天荒で変わり者、自由人で家臣達は良く手を妬かされている。
「殿、お召し換えは済みましたか?」
不意に上から声が聞こえ、龍経は上を見上げた。
「うむ。降りてきて良いぞ」
龍経は上に向かって声を掛ける。
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