曼珠沙華

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   今年も花が咲きました。葉子の居ない窓辺で、私は彼女と同じ紅を引き、背筋を伸ばし、花を食むのです。  花は確かに毒を持っておりました。  燃える赤に脈が早まったのですから。  華奢な白に目が痺れたのですから。 ―完―    
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