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クリスマスのイルミネーションが大通りを彩るこの季節。
寒そうに行き交う人々は自然と足早になっていた歩幅を緩め。
うつむきがちになる顔を上げて、頬を弛める。
恋人たちは寄り添い合い、視線を交わしては愛を囁く。
そんな後ろ姿をなるべく視界に入れないようにして、私は背筋を伸ばしてそこを通り過ぎた。
毎年趣向を変えて、綺麗に飾りつけられるイルミネーション。
なんの因果か、まだ一度も恋人と呼べる相手と見に来たことがない。
それでも毎年ここを通るのは、職場が目の前にある。
ただそれだけの理由だった。
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