第1章

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今日も一日立ち仕事を終えて、疲れた足を引きずるように店を出た。 昔から可愛い服が大好きで、迷うことなく服飾の専門学校に入ったものの私にはデザインの才能はなく。 結局、行きついた先はショップ店員という仕事だった。 大好きな服に囲まれて仕事ができるならと思っていたけれど、蓋を開けてみれば肉体労働で。 朝9時半に出勤して閉店後レジを閉めるまでの約12時間、ずっと立ちっぱなしだったことも何度かあるほどで。 思っていた以上に過酷な労働環境に、音を上げそうになったこともあった。 それでも3年続けた今となっては、ずいぶんと慣れたと自分でもそう思う。
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