【3】日本万国博覧会

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「お前、夜遊び好きだったのか?」 「あら。そんなこと」 言いかけて、どんどん闇に包まれていきながら、加奈江はあっけらかんと答えた。 「あるかも」 「ええ? 何だって?」 「だって。誰かさんといっしょだもの」 新婚旅行でしょ、と小声でポツリ。彼の方へ手を伸ばした。 その手を、暗闇の中で政はひときわ強く握った。 寄り添いながら先を行くふたりを待っていたものは。 政が毛嫌いし、実物を見て意識して止まなかった太陽の塔、つまりテーマ館の入り口で、すでにふたりはパビリオンの中にいた。 おやおや。とんだ出口だこと。 加奈江はクスリと笑う。 訪ねるまでもなく、あちらから招かれたのね。 これは。逃げられないわ。 彼女は隣の夫の気配に心を配る。 政は観念しているようで、小さくため息をついていた。
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