創星記

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原初たる神は一日目に陸を創った。 世界に干からびた大地が広がり、星は胎動を始めた。 原初たる神は二日目に海を創った。 世界に母なる海がこぼれ落ち、星に生命が育まれた。 原初たる神は三日目に空を創った。 世界に新たなる光が産まれ、星を輝かしく照らした。 原初たる神は四日目に休息に入った。 世界は神の手を離れ、完全な自由を手にした。 原初たる神は目覚めた時、己の過ちを悔いた。 自由を手にした生命は荒れ狂い、星を穢した。 原初たる神は生命を罰した。そして世界を再び創った。生命の王たる四対の竜と共に。 されど神は絶対を求めた。 同じ過ちを繰り返さぬよう、神は三つの楔を陸と海と空に創った。 孤高なるベヒーモス。 憤怒せしレヴィアタン。 豊穣たるジズ。 かの化け物が目覚める時、世界は新たなる再生を迎えるであろう。 人の子よ。間違えるなかれ。我らは皆等しく同罪である。
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