《2》

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「だから、その名前で呼ばないで下さいって何度も言ってるじゃないですか」 晃人さんの迷惑行為を止めさせ、乱れた髪を手櫛で整えた。 ムッとする私にお構いなしに、彼は「かわいいじゃねーの。なぁ?浜内」と、浜内さんに同意を求める。 「え……」 浜内さんの目が点になった。 そういえば、チェルシーの名付け親は、浜内さんだった筈…… 「えぇぇっ?!課長が飼っているのって、黒猫じゃなくて、直井さんだったんですかぁ?」 「おう、まだ完全に躾が行き届いてねーけどな」 ニヤリと笑う晃人さんを一度睨んでから「私はこの人の飼い猫じゃありません」と門倉さん、浜内さんに弁解を試みるも 「うわぁ……なんかエロい…」 浜内さんが恍惚とした表情をしながら呟いてみせた。 「………は?」 エロいって、何を言っちゃってるの?彼女は… 脱力している私の向かい側で浜内さんが目を輝かせている。 「……猫のチェルシーとドSな飼い主の夜の調教プレイ………うん、すっごいやらしい!!」 「え………」 意味が分からない……
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