《2》

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突如参上した、脳内メルヘン女子を前に、アイタタ……と頭を抱える。 私の隣の人物は「なるほど、そういうプレイも悪くねーな」と、これまたアホな事を仰っている。 門倉さんは、浜内さんの暴走には慣れているのか涼しげな表情を崩さない。 その何事にも動じない冷静さが羨ましい。 「てゆーかぁ……私、てっきり直井さんって課長の事毛嫌いしてると思ってたんだけどぉ」 私と晃人さんを交互に眺めながら言った浜内さんは「意外な組み合わせだよねぇ?」と門倉さんに同意を求めた。 門倉さんはそれに頷いてから、晃人さんに向き直る。 「課長、お二人の事は、他の人間には一切口外しませんのでご安心下さい」 門倉さんの言葉に、密かにホッと息を吐く私。 けれど、彼の隣に座る浜内さんが「えぇ?!どしてぇ?」と不満を口にする。 「すっごい大スクープじゃん。てゆーか、私誰かに言いたくて仕方ないんだけど。黙ってらんなーい!」 小顔な浜内さんの頬がトラフグみたく膨れている。 両手でパチンと、潰してみたいくらいの見事な膨れっぷりだ。
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