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「聞いてねーって……言う必要あんのか?」
「いや、言って下さいよ」
結婚だなんて、寝耳に水、なんですが。
プロポーズ的なものはないし、その前に、正式に付き合い始めたばかりなんですけど……
「あ?言わなくても分かるだろ?最初からそのつもりだってのが」
晃人さんは、最早彼の決め台詞となった「それともアレか?」で続ける。
「お前にはその気がねーってか?」
「別にそういう訳じゃないですけど」
冷めた口振りでケーキを口にしようとする私からフォークが取り上げられる。
「ちょっと……」と睨むも、逆に氷のように冷たい眼差しを向けられた。
……晃人さん、真顔が怖いです…
「じゃあ、どういう訳だ?お前にとって、俺は遊びか?」
「は?」
また唐突に訳の分からない事を……
というか、ケーキが食べたいのに食べられない。
いっそ、手掴みでいってしまおうか……と、悩む私を尻目に、強奪したフォークでケーキを横取りし出した晃人さん。
「あーっ!!何勝手に食べてるんですかっ!」
「うるせーな。馬鹿みてーにデカイ声出すなっての」
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