《2》

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「聞いてねーって……言う必要あんのか?」 「いや、言って下さいよ」 結婚だなんて、寝耳に水、なんですが。 プロポーズ的なものはないし、その前に、正式に付き合い始めたばかりなんですけど…… 「あ?言わなくても分かるだろ?最初からそのつもりだってのが」 晃人さんは、最早彼の決め台詞となった「それともアレか?」で続ける。 「お前にはその気がねーってか?」 「別にそういう訳じゃないですけど」 冷めた口振りでケーキを口にしようとする私からフォークが取り上げられる。 「ちょっと……」と睨むも、逆に氷のように冷たい眼差しを向けられた。 ……晃人さん、真顔が怖いです… 「じゃあ、どういう訳だ?お前にとって、俺は遊びか?」 「は?」 また唐突に訳の分からない事を…… というか、ケーキが食べたいのに食べられない。 いっそ、手掴みでいってしまおうか……と、悩む私を尻目に、強奪したフォークでケーキを横取りし出した晃人さん。 「あーっ!!何勝手に食べてるんですかっ!」 「うるせーな。馬鹿みてーにデカイ声出すなっての」
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