《2》

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あぁぁ……ケーキがどんどん小さくなっていく… ケーキが晃人さんの口に入っていくのを成す術もなく見守っていると、彼が投げ遣り気味に言ってくる。 「お前にとって、俺は一夏のアバンチュールってヤツか?」 「………今、冬ですけど…」 「お前は、俺の体と金が目当てだったのか?」 「はいぃ?」 確かに、晃人さんの体は魅力に満ち溢れているけれど……って、違う違う。 「飽きたらポイか?ひでー女」 「…………」 あまりの馬鹿さ加減に、溜め息が出てきた。 「……ケーキ、返して下さいよ」 「あぁ"?俺よりケーキか?薄情な女だな」 私と晃人さんのやり取りを見ていた浜内さんが沁々言う。 「何か……異色のカップルかと思ったけど、凄く息ピッタリですね…」 彼女の言葉に、門倉さんも黙って頷いていた。
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