《3》

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「えっと……私にはこういったのは…」 ……かわいらし過ぎて無理。 もう少しゴテゴテしていない方が好みだし。 浜内さんは「えー?似合うと思うけどなぁ?」と不満げな表情でワンピースを戻した。 「このショップ、ゆっくり見させてね?」 お洒落で華やかな店内を闊歩し出した浜内さんの後ろを訳も分からず付いて回る。 「華ちゃんと課長って、何のキッカケで付き合い出したの?」 冬物トップスを物色しながら浜内さんが切り出してきた。 彼女の真似をしてニットを広げる私は、暫し考えてから答える。 「……キッカケは多分、晃……じゃなくて、課長の歓迎会の夜だと……その日から彼は私に興味を持ったらしく、執拗な付きまとい行為が始まって…」 「ふんふん」 「ストーカーみたく付きまとわれて迷惑していた筈なんですが……どういう訳か、彼に惹かれていってしまい、今に至るという…」 ……うん、この説明で間違ってはいない筈。
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