《3》

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「どこが好き……とか、よく分かりませんが…」 「ん?」 正直、晃人さんの好きな部分より、ここはどうかと思うな……という部分の方が多かったりする。 例えば、下品な言い回しをする所とか、隙あらば服を脱がそうとする所とか。 けれど、波長は誰よりも合うし、彼の隣は居心地がよくて、誰にも譲りたくないと思ってる。 「……彼じゃないと駄目だと言うのは、身に染みて分かっているんです」 言ってしまってから、急に恥ずかしくなって「あ、すみません、今の忘れて下さい!」と取り繕うも 浜内さんからの「華ちゃん、顔真っ赤っかぁ~!かぁわいい~!」という冷やかしに羞恥心を突っつかれる。 店内に設置された姿見を覗くと、本当に顔が真っ赤に染まっていて、また更に熱が発生。 このままいけば、真っ赤を通り越して、さつま芋色になりそうだ。
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