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我が息子の保育園の運動会となれば、親として張り切らない事はない。
この日の為に購入した最新のハンディカムを片手に、意気揚々と出掛けた。
勿論、場所取りだって抜かりはない。
朝一番、会場が開くと同時に乗り込み、息子を映せる最高のポジションにビニールシートを拡げた。
「最早、親馬鹿と言っても過言ではないですね……」
呆れ口調の華に構わず、息子のかわいい姿を一つも漏れ落とさないようカメラに収める。
「うおっ……禅のヤツ、1等じゃねーか!流石、俺の子」
「…………」
興奮する俺の隣で、華は小さく溜め息を吐く。
「奏(かなで)、パパ、ちょっとはしゃぎ過ぎだよねー?」
「ふわぁ………」
生後4ヶ月の次男が、返事をする代わりに大きな欠伸をした。
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