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ホントかよ!と、ツッコミを入れたいのをグッと堪えていると、園長の指示が入る。
『さくらんぼ組のお友達、保護者の皆さん、準備は良いですかー?』
「あ、ほら晃人さん、召集かかってますよ」
俺の背中を押す華に「いや、ちょっと待て」と、抵抗する。
「こういうの、お前がやった方が良いんじゃねーの?俺はその……」
「どうしてですか?結構他のお父さん方出てますよ?」
「だからって……恥ずかしいじゃねーか」
「普段仕事ばかりで子供と触れ合っていないんですから、こういった時こそ絶好の機会です。ほら、早く行って下さい」
華は、普段は非力な癖に、こういう時はやたらと力が強い。
ぐいぐいと、中央に押される。
「私は、奏の世話もありますから」
「いや、それなら俺が……」
悪足掻きする様を見かねた禅が俺の手を引っ張る。
「おとうさん、はやくいきますよ」
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