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喧しい子供達が眠り、漸く夫婦の時間がやってきた。
「一瞬、私も一緒に眠りそうになりました」
「お疲れさん」
寝かし付けに苦労していたらしい華は、眠そうに目を擦っている。
そんな彼女をソファに座らせ、マグカップを手渡す。
「ほい、ほうじ茶」
「ありがとうございます」
美味しそうに茶を啜る彼女の隣に腰を下ろし、そっと頭を撫でた。
「いつもありがとな」
「…………な、何ですか?いきなり…」
華が怪訝そうに見てきた。
「らしくない事を言い出さないで下さいよ。お茶を噴きそうになりました」
華は、ボソッと「薄気味悪い」と付け加え、また茶を啜る。
「………薄気味悪いって……こりゃまた随分な言い草だな。良いじゃねーか、別に」
素直に今の気持ちを言葉にしただけなのに、この反応。
ちょっと酷くねーか?
「…何かやましい事でもあるんじゃないですか?」
「おいおい………」
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