おまけ⑦

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ふと、視線を感じて振り返れば…… 「……何見てんだよ?」 哀れみを含んだ視線を投げ掛けてくる華を筆頭に、あからさまなドン引き顔で俺を見ている禅と奏。 「………晃人さん、一言言ってもよろしいですか?」 「あ?」 俺の腕の中でモゾモゾ動くかわいい娘。 それを大事に包みながら華の次の言葉を待つ。 「凪がかわいいのは分かりますが、その溺愛っぷりは些か気味が悪いです」 「…………娘を溺愛して何が悪い」 ムッとする俺に、華が呆れ口調で続ける。 「凪がお嫁に行く時、泣いたり暴れたりしないで下さいよ?みっともないんで」 と。 「ふん、」とわざとらしく鼻を鳴らす。 「凪が嫁に行く日なんか永久に来ねーよ。パパとずっと一緒にいようなぁ~凪ぃ」 デレ~と頬を緩ませれば、華は露骨に「………うわ…」と、顔をしかめる。 その反応にひょっとして……と思い「娘に妬いてんのか?」と問えば… 「いえ、別に」 即答され敢えなく撃沈。 落ち込む俺を見て、息子達は「ふっ……」と鼻で笑っている。 ひねくれた嫁と冷めた息子達……… 「なぁ凪、お前だけはひねくれないで素直に育ってくれよ?」 最後の砦のかわいい娘に、そっと期待を込めた。
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