《1》

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「何だ?拒否んのか?」 不服そうな絡んでくる彼に再び背を向け、素っ気なく「……もう寝ますんで」と。 そっと瞼を降ろし、眠りの体勢に入る。 「ふん、ツンケンしやがって…」 背後からわざとらしく浴びせられた言葉には、刺々しさが含まれていて あーあ、拗ねちゃった……と、良い歳したお子ちゃまの様子に笑いが込み上げてきた。 それをひたすら堪えながら 「晃人さんは、どちらかと言えば一途な方ですか?」 と、切り出してみれば、彼は不機嫌そうに「あ?」と返してくる。 「おとぎ話の世界のように、お互いを一途に想い合って生涯を終える………私達は、それが出来るのでしょうか?」 私はともかく、見目麗しい彼には甘い誘惑が多い筈。 その数々の誘惑を蹴散らし、彼がずっと私だけを想ってくれるのか……… 「私には、晃人さんに想われ続ける自信がないし……不安、なんですよね」
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