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「何だ?拒否んのか?」
不服そうな絡んでくる彼に再び背を向け、素っ気なく「……もう寝ますんで」と。
そっと瞼を降ろし、眠りの体勢に入る。
「ふん、ツンケンしやがって…」
背後からわざとらしく浴びせられた言葉には、刺々しさが含まれていて
あーあ、拗ねちゃった……と、良い歳したお子ちゃまの様子に笑いが込み上げてきた。
それをひたすら堪えながら
「晃人さんは、どちらかと言えば一途な方ですか?」
と、切り出してみれば、彼は不機嫌そうに「あ?」と返してくる。
「おとぎ話の世界のように、お互いを一途に想い合って生涯を終える………私達は、それが出来るのでしょうか?」
私はともかく、見目麗しい彼には甘い誘惑が多い筈。
その数々の誘惑を蹴散らし、彼がずっと私だけを想ってくれるのか………
「私には、晃人さんに想われ続ける自信がないし……不安、なんですよね」
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