22313人が本棚に入れています
本棚に追加
/596ページ
珍しく素直な気持ちを吐露した私の耳に届いたのは「お前なぁ…」との呆れ口調。
そして、背後から逞しい腕が回され、ぎゅっと包まれる。
「それは、お前次第だろ?」
「……私次第、ですか?」
「おう、お前がかわいくねー態度ばっか取ってると、いじけて他の女に走るかもな」
冗談っぽく言う彼。
本気じゃなく、ただ私をからかっているというのは頭では分かっているけれど。
「………どうぞ、いくらでも浮気なさって下さい。私は一人で生きていきますので」
ついつい、売り言葉に買い言葉を言いたくなってしまう、かわいさ皆無の私。
最初のコメントを投稿しよう!