《1》

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珍しく素直な気持ちを吐露した私の耳に届いたのは「お前なぁ…」との呆れ口調。 そして、背後から逞しい腕が回され、ぎゅっと包まれる。 「それは、お前次第だろ?」 「……私次第、ですか?」 「おう、お前がかわいくねー態度ばっか取ってると、いじけて他の女に走るかもな」 冗談っぽく言う彼。 本気じゃなく、ただ私をからかっているというのは頭では分かっているけれど。 「………どうぞ、いくらでも浮気なさって下さい。私は一人で生きていきますので」 ついつい、売り言葉に買い言葉を言いたくなってしまう、かわいさ皆無の私。
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