第1章

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「ほ、ほれた!」  体育館の出口で立ち止まってそうつぶやく。迷惑そうな視線を受けながら遠い目をしていたあたしを優奈が引っ張る。 「もー。泉。迷惑だって。」 「これって、ひとめぼれってやつ?」  なおも足の進まないあたしに呆れて優奈が大きなため息をついた。  今年あたしは高校生になった。北陵高校。それがあたしの学校だ。  中学からの親友、酒井優奈(さかい ゆな)も同じ学校の同じクラスになった。
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