第1章

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愛しい人がまともではないのか それとも私がまともではないのか はたまたどちらもまともではないのか 誰に聞けば教えてくれるのだろう 誰がまともで誰がまともではないのか 目を瞑り考える この人がまともな人なのだと示してくれればいいものを だらしなく開いた私の手は愛しい人の手を掴むことすらできない そして私の愛しい人もまた私の手を掴むことができない 誰なら掴めるのだろうか きっと掴むことができた人はまともなのだろう ならば私たちはまともではないのだ いつか愛しい人の手を掴むことができるとしたら それはきっと私たちがまともになれたということだろう
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