6.敵だらけの会社

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『オトしてみせます。覚悟してください』その割には。  ぐいぐい押してくるわけでもないし、逆に引くってこともない。  何かこう、じわじわ攻めてくるような。  かといって宣言通りになるつもりは微塵もない。簡単に信用して痛い目にあうのは嫌。    そんなことを思いながら何となく森野君の方を見ると、目が合った。  でも、それだけ。何もない。  他の女性社員ならキャーキャー言って喜ぶかもしれないけど。  彼は私をどうしたいんだか……。  午後3時。キリがいいのでいつものように休憩所でコーヒーを飲むことにした。  つい最近までこの時間も返上して仕事。ゆとりがあるのって気分が楽。
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