6.敵だらけの会社

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 もうひと頑張りするためにカップのブラックにしようか、なんて考えてると、休憩所から談笑する声。  先客くらいいるだろうと気にせず向かおうとしたら、足が止まる。 「……まだ誘いにのってこねーの?」  話の内容と、聞き覚えのある声。  瞬時に自分のことだと判断。死角を使って身を隠し、耳を澄ませた。 「全然。鉄壁過ぎて崩れないよ、広瀬」  高井もいる。そーっと覗くと、4、5人くらいの男性社員。おそらく……全員同期。 「じゃあ何でアイツ……開発一課の森野だっけ、そういうことができたんだ?」 「食事がどうとかってくらいしか聞こえなかったからな、弱味でも握ってんじゃね?」  あ、この声は企画部の……駅で2人でいるのを見たのはコイツか。  盗み聞きとか、イイ趣味してる……。
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