6.敵だらけの会社

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 気のせいか、当事者の私よりイライラしてるような。 「……1発、殴っておきますか?」 「…………!!」    背筋がゾクッとした。  真顔で掌をグーで殴り付ける仕草を見せたので、本当にやってしまいそう。  さすがに、それは駄目だ。 「止めなさい! クビになるわよ!」 「…………」 「どんなに腹がたっても、手を出したらいけない。無駄になるわよ、全て」  必死になっている私に最初はキョトンとしていた森野君も、 「……そうですね」  平静を取り戻したのか手を下ろしてくれた。
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