6.敵だらけの会社

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「……災難でしたね」 「……そうね」  気苦労は、絶えない。  ヒット商品を生み出してからずっとだ。  女というだけで正当に評価されないことは少なからずある。  自分の実力でも、上の方に色仕掛けしたんじゃないかとか、泣き落としでもしたとかあることないこと言われて。  女性が働きやすい環境が売りでもあるこの会社だけど、女性『キャリア』には過酷かもしれない。  奈津子の言ってた『味方を作っておいた方がいい』を今痛感している。  1人で戦うのは……とても厳しい。 「広瀬さん……疲れてませんか?」  急に顔を覗きこまれ、ビクッとした。
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