§最終章Ⅱ§

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私は…… どうやら夢をみているようだ。 田原さんと私と、そして私達の子供と思われる小学1年の双子の男の子と3歳の笑顔が愛らしい女の子がいて。 広いお庭でバーベキューをしている。 少し離れた所にはママと、なぜだかハローランチの社長さんが椅子に腰かけていて、ビールを飲みながら高らかな笑い声をあげている。 皆がキャーキャーとはしゃいでいる中、私は田原さんと口をきかず、目も合わせず、淡々と食事の用意をしている。 昨晩勃発したくだらない喧嘩が原因だ。 突然、双子のうちの1人が田原さんの腕をひっぱり、問いかけた。  “ねぇ、お父さんは今でもお母さんの事を愛してるの?” 田原さんは口内の物を噴出しそうになった口元を抑えている。 “な… 何で急に” 双子は真面目なめつきで田原さんをじぃっと覗きこみ、返答を待っている。
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