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田原さんは頬を崩した。
“もちろん、愛してるよ”
“じゃあ、証拠を見せて?”
“証拠?”
双子達は互いに顔を見合い、腹に一物抱えているような笑みを浮かべた。
そして、
“キース、キース、キース”
手拍子をしながら私達にキスをするように囃したてた。
私と田原さんは目を見合わせ、くすっと笑った。
昨夜のいさかいをこの子達は見聞きしたらしく、子供なりに、仲直りさせようと目論んだみたいだ。
田原さんはゆっくりと私に近づいて。
“昨日、ごめんね?”
と耳元で囁いて、
皆の目の前で堂々と、唇に触れるだけのキスをした。
これで帳消しにしようと思ったのに、相手は調子にのって口を突きだし、ディープなものを求めて来たので、私は必死になって抵抗した。
“さすがに、子供達の前でそれはダメ”
だけど、肩をがっちり捕えられて……
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