第1章

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 『ガラガラガラ』    家の引き戸が開く音がする。 「おくやん、来たよ」  と、いつもの声。 「おっ! 今日も楽しみだな、きたさん」  やってきたのは『きたさん』こと 北野先生。  僕が通う高校の商業科の先生だ。  おくやんは、ぼくの親父。  北野先生が年上なので、きたさんと おくやんらしい。  この二人、囲碁を打ち合う友達。  碁友 というそうだ。  
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