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世の中の女子たちがツイッターに、「イベントなう」とか「スタバなう」とかリア充な写真を載せまくっている頃。
「はぁ」
わたしはため息をつきながら散らかった部屋で少女漫画を読み漁っていた。
世の中の女子たちが美しさを追求しながらダイエットのために体を動かしている頃。
「おっ!これおいしい」
わたしは新発売のポテチを一袋食べきろうとしていた。
世の中の女子たちが必死に恋愛を成就させようと苦しみもがいている頃。
「ふふ」
わたしはディズニー映画をみながら、こんな王子様が現実にいてたまるか、と鼻で笑っていた。
だって、だって。
私は可愛くないし、スタイル良くないし、友達もいないし、恋人もいないし、何も取りえがないし、頑張ろうとか努力だってしてないし。
なーーーーんにも、ないし。
何にもないからこそ、何かに憧れることが無駄なことだと私はよくわかっていた。
街に出て可愛い子を見たり、服を見たり、おしゃれな雑貨を見たり、おいしそうなパンケーキ店の前を通ったり…。
むなしくなるだけだから。
私とは縁のなさそうな、そういう『お洒落』なやつ。
高校を卒業して、バイトを探しながらなんとなく過ごして、いつのまにかもう11月になってしまった。
体も心も、とても寒かった。
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