現実

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頭の中に花が咲いたような 浮ついた状態で 喜んで良いものじゃなかったのだ。 「奈々緒。 顔色が悪いよ」 大きな手が 私の頬を 労わるように撫でる。 「……急過ぎて 頭が追いつかない」 「そうか」 「でも、ひとつだけ言わせて。 私の働き方は 私が決める」 自分でも驚くほど 硬質的な声になった。
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