1908人が本棚に入れています
本棚に追加
シーツのしわを
見下ろしながら思った。
ああ、私は
怒っているのかと。
「……そうだね」
温人さんは
感情の読めない
抑揚のない声で言うと
口を噤んだ。
つい数分前まで
私たちを包んでいた
甘やかで幸福な空気は
とっくに霧散し。
代わりに辺りを満たすのは
重苦しく
酸素濃度の低い
気まずさのみだった。
最初のコメントを投稿しよう!