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俺の人生は、つまらないものだった。
両親は離婚。弟は親父が引き取って、俺は自分勝手な親の言いなりになるのが嫌で。
高校生にして、家を出た。
毎夜毎夜と、ラブホ街の近くの洒落たBarで、アルバイトをする毎日。
高校生が深夜に働くことは、法律的に違反だけど、そこの店長とは昔からの仲で。
というより、小さいころからの兄ちゃん的存在で。
俺を助けてくれるから、俺は毎夜毎夜と、18歳以上と見せかけて。
必死に生活費を稼いでいる。
Barに向かう途中に、大人で洒落た女性を口説いては、お店に連れて。
機嫌どりに、お持ち帰りなんてしたりして。
俺にとっては、良い思いさせてもらってるから、機嫌どりなんて言い訳だけど。
でも、だから、本当の愛なんて、これっぽっちも知らないし、信じていない。
女なんてすぐにコロッと好きな男から自分の好みの男へ乗り換えて、都合の良いように生きている。
体なんてすぐに許すしさ。
刺激なんて何もない。
毎日同じ暮らし。
俺の人生は、いつもつまらないもの。
高校2年の梅雨入り前の真夜中に、あいつと出会うまでは。
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