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その様子を見ていた正輝も、親友が自信をつけているのが嬉しいのか、笑顔になっていた。
「よし。これ以上の意見は出ないだろう。では男はどう対応すれば良いかを考えてみよう」
千尋は次の問題を投げかける。
しかし今度は何も思いつかない健斗は、静かに大人しくしている。
そんな様子を見た正輝は、静かに手を挙げた。
「では正輝君。意見を聞かせてくれ」
「はい。料理の種類ではなく、『がっつり食べたい?ヘルシーにいきたい?』と質問するのはどうでしょうか。それだけでも女が求めている物の予測範囲を狭める事が出来ます」
正輝の意見を聞いて、真っ先に亜美が口を開いた。
「なるほど、確かにその聞き方は助かるかも。付き合い始めだと、彼氏の目の前でがっつり食べる姿は見せたくないしね」
しかし、亜美の意見に反対なのか、千尋は勢い良く口を開く。
「亜美君。そんなの間違っている。女だってがっつり食べるんだって印象を最初に与えておかないと、後が大変だぞ」
千尋の勢いに押されたのか、亜美は少し戸惑いながらも答える。
「そうですね。確かにがっつり食べたいです。でも付き合いたての初々しい気分が、そうさせるんですよねぇ」
「ではこの件について男の意見を聞いてみよう。君達はどう思う」
千尋は健斗と正輝に視線を向ける。
少々話が脱線している気がするのだが、遠慮がちに口を開いた。
「俺は……普通に食べて貰っても全然いいと思います。テレビで見る大食いの人みたいに食べる人は少し引いてしまいますが」
「俺も同じ意見です」
正輝も健斗に同意するように、完結に答えた。
健斗達の意見にまたも満足した千尋は、笑顔で口を開く。
「やはりな。雑誌やテレビで言ってるような女子力なんて言葉は信用ならない。あまり食べないのが女子力だって勘違いしている女も多いからな」
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