恋愛ホルモン

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「なんでだよー!」 健斗は叫ぶと同時に、仰向けになっていた体を起こす。 すると体はベッドの上にあり、目に入る景色は大学入学をきっかけに引っ越してきたワンルームの自分の部屋だった。 そして健斗が着ていた服は、悪夢にうなされた為にかいた、冷や汗によって、不快感を与えている。 健斗はベッドから出て、時計を確認する。 時計の針は午前11時を指しており、健斗は過去のトラウマを払うようにゆっくりと伸びをした。 今日の講義は午後からなので、のんびりしている。 すると空腹感が襲ってきた。 健斗は学食で昼食を済まそうと、身支度を整え、部屋を後にした。 大学に着くと正輝からのメールが届く。 正輝も同じように学食で昼食を取ろうとしていた為、合流し一緒に学食に向かった。 受け取った料理をトレイに乗せ、適当に空いているテーブルに座る。 すると健斗の背中側に座っていた男女2人ずつの計4人の話声が聞こえてきた。 「ねぇ。どんな人がタイプなの?」 男の片方が、女に向かって話かける。 「うーん。誠実で、優しい人かなぁ」 「そうだねぇ。そういう男の人いいよねぇ」 片方の女が意見を言い、もう片方の女がそれに同意する。 すると先ほどとは違う男の声が聞こえてくる。 「そうなのぉ。俺ら凄い優しいよ」
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