女の勘

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労働とは、自らの時間や体力を犠牲にし、何かを得る事だ。 基本的にはお金を得るが、お金の代わりに物を得る場合もある。 それは雇う側と雇われる側とでの利害の一致により変化する。 現代社会はこのような損得勘定で出来ているのだろう。 稀にボランティアを積極的に行う者も居るが、それだって損得勘定で動いている場合が多い。 中、高、大学生は就職や進学時のアピールの材料を得る為に。 時間やお金に余裕のある者、そしてその他の者は、暇つぶしや良い事をしているという満足感を得る為に。 会社等の組織で行う場合は、その会社のイメージアップの為に。 そうすると、人間の行動の全てには、損得勘定が常に絡んでいるのではないだろうか。 友達や恋人、クラスメイトや会社の上司、同僚、部下などの人付き合いだって損得が絡んでいる。 楽しい時間を共用する為。 寂しさを紛らわす為。 性欲処理や子孫を残す為。 日常生活を平和に、円滑に過ごす為。 人付き合いによって生じる人間の行動は、全て損得の理由があるのかもしれない。 たまに「お前って損得勘定でしか行動しないよな」などと言っている人を見かけるが、それは綺麗事を押し付けようとしているか、自分は心が綺麗な人間ですアピールをしているのかもしれない。 綺麗事は実に綺麗に聞こえる。 特に日本社会は、本音と建て前という日本国民特有の風習があり、綺麗事を強要される社会だ。 日頃から相手の心理を読みつつ、表面上は上手く人と接しなければならない。 他の国より、ストレスが溜まりやすそうな環境の中、良くもまあ長寿国トップをキープしているものだと感心してしまう。
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