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「ねぇ、ちょっと。何でこんなシャンプー使ってるの」
女は風呂場にあったシャンプーの容器を片手に、再び男に詰め寄った。
「今度は何だよ。シャンプーの種類変えたぐらいで大げさな」
男はもう勘弁してくれと言わんばかりに、呆れた表情を浮かべる。
「急にこんなオシャレなシャンプーを使うなんて、オカシイじゃない。女ね。やっぱり浮気してるんでしょ」
女は今度こそ間違い無いという、自信と怒りで強気に出る。
「お、お前おかしいぞ。何を根拠に言ってんだよ」
男は女の気迫に押されたのか、声を荒げてしまう。
「根拠って、そんなの女の勘よ!」
女は自信満々に言い放った。
「何だよ女の勘って。ただ疑い深いだけじゃねぇかよ」
男がそう言うと、女は床に無造作に置いてある、男の携帯を拾い上げ、捜査し始める。
「ちょ……お前何やってんだよ」
男は完全に焦った様子を見せた。
「暗証番号、変えたのね。何か見られて困る事でもあるのかしら」
その言葉を聞いた男は、顔を真っ赤にしていた。
「お前なんで前の暗証番号知ってんだよ。恋人同士でもプライバシーってもんがあるんだぞ」
「何よ。後ろめたい事が無ければ見られても平気でしょ」
「お前だって、俺が携帯勝手に見たら嫌だろうが」
「今はそんな話してるんじゃないわよ。貴方の浮気の話でしょ」
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