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翌日、健斗は大学の講義に出席していた。
相変わらず親友の正輝と、隣同士の席を陣取っている。
そして講義と講義の合間の時間に、健斗はバイト中に出会ったカップルの話をした。
「……という事があったんだよ」
「まじか。リアル昼ドラみたいだな」
正輝は顔を引き攣らせていた。
もし自分がその現場に居たらと想像でもしたのだろう。
「それでさぁ。女の勘って何なんだろうって思って」
健斗が疑問を口にすると、正輝は腕組みをし、思考する。
「俺は今回の男みたいにヤマシイ事何てしないからな。ただ……」
「ただ?」
「女ってさぁ。微妙に髪型変えただけでも、すぐ気づいたりするだろ。男には全然分からない微妙な変化なのに」
「あー確かに。自分でちょっと前髪切ったりしたら女同士で言い合ってたりするな」
正輝は健斗の言葉に満足したのか、首を縦に振る。
「そういうのも関係あるのかなって思うんだ」
「なるほど」
健斗は正輝の言葉に妙に納得してしまう。
今までの学生生活を振り返ってみると、確かに女子は髪型や、携帯のストラップ、使っている文房具の変化などにも、すぐに気づいていた気がする。
男子の髪型の変化にも気づいたりしていたが、それはまぁ、好意を持っている相手だけなのだろうが。
健斗が思考していると、正輝が口を開く。
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