恋愛 スタディ

女の勘

「まあ、個人差があるから全ての人が当てはまるわけでは無いがな。女は男よりも人間観察が得意で、変化に気づき易く、それを元に推測する。生理時期はその制度が高まるということだ。それが女の勘なのかもしれないな」

そう締めくくった千尋は、パソコンの作業に戻ってしまった。

しかし、その直後、再び千尋は口を開く。

「忘れていたが、マルチタスク脳は男でも努力すれば手に入るぞ。気になるなら自分で調べてくれ。私は今日は疲れたのでな」

そしてまたパソコン作業に戻っていく。

あまりにも深い内容に、疲れてしまった男２人は、亜美に軽く挨拶をすると、教授室を後にする。

そしていつものように噴水広場を通りかかった時、健斗は口を開いた。

「なぁ正輝」

「なんだ？」

真剣な表情で言う健斗に、正輝は少し身構えた。

「女の勘って……侮れないかもな」

「……ああ。そうだな」

信じていなかった事を信じるようになった２人。

そんな自分の変化が、２人を新鮮な気持ちにさせていた。