それは唐突に。

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あたしの成長を記録したアルバムの写真は、ほとんどいっちゃんと一緒に映ってるものばかりだ。 赤ちゃんの頃から、幼稚園、小学校、中学校と、いっちゃんと映ってない写真の方が逆にレア。高校生になってからは流石に減ってきちゃったけど。 あたしはずーっと、いっちゃんの傍にいた。 そしてこれからも、未来永劫、ずーっといっちゃんの隣にいるんだと思ってた。 でも、そんな未来予想図は、ある日あっさりと崩れ去ってしまった。 「……ごめん、いっちゃん。今なんて?」 いつものように、朝一緒に登校しようといっちゃん家に向かい、インターホンを鳴らして、相変わらず寝癖のついた頭のいっちゃんが眠たそうに出てきて。 あたしが上機嫌におはようと挨拶すると、うぃーとなんだかよく分からないうなり声で返事をしてくれて。 それからいつものように二人肩を並べて学校に向かう途中。 いつもの朝に、変化が訪れた。 「だーかーら!俺、彼女できたの!」
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