それは唐突に。

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学校に着くと、いっちゃんは早速クラスのみんなに、本多さんと付き合い始めたことを触れて回った。 もちろん、みんな真面目に受け取らなかった。 いっちゃんと本多さんとじゃ釣り合いとれないって笑い飛ばす子もいた。 だけど。 あたしたちより遅れて登校してきた本多さんに、みんなが面白半分で質問すると、返ってきたのは意外すぎる答え。 「……ええ、そうよ。入江くんと私、昨日から付き合い始めたの」 刹那、教室は静まり返った。 だって、あまりにもあっさり本多さんが認めるものだから。あたしも、目が点になっていた。 気恥ずかしそうに照れるいっちゃんを見て、あたしは物凄く嫌な気分になった。 なんで、あたし以外の子と付き合うの? 今までいっちゃんの一番近くにいたのはあたしじゃん。お願いだからやめてよ。 あたし、いっちゃんが好きなんだよ――?
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