君を森で待つ

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目を開けると、私は書斎ではなくあの森にいた。 ???「よう。」 男の人の声がした。私は声のする方へと向く。 紫苑「…貴方は…。」 浅葱色の羽織…新撰組の隊服。 ???「俺か?俺は永倉新八。まぁ、お前の先祖というやつだ。」 紫苑「え!?」 二カッと笑う私の先祖?は真剣な顔で私に言う。 永倉「俺の本。読んだだろ?」 紫苑「あ、はい。」 永倉「破けたページを見たか?」 私はこくりとうなづいた。 そこにはとても大切なことが書かれていたのではと思っていた。 その前のページには…歴史上にはない女性剣士について少し書かれていたからだ。 永倉「破けたページを直してくれないか?」 紫苑「え?」 どうやって? 永倉「あれはな、特別な本なんだ。ページが破れていては俺たちは現世で出会うことを許されない。皆ばらばらのままだ。誰かの糸によってあのページは破れてしまった。」 紫苑「…。」 永倉「お前なら、あのページを直せるんだ。俺たちの世界・あの戦乱の時代に来てくれないか?」 私に手を伸ばしてくる。 なぜ私なのだろうか…。 私が彼の子孫だから? 永倉「時間がない!お願いだ!信じてくれ!!」 彼は必死だった。
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