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ぽろぽろ、さっきからずっと泣いてばっかりなのにまた涙が溢れてきちゃった。 あの子のことを考えるだけで悲しみは、懐かしさは、恋しさは募っていく。 「あーーーー!お兄ちゃんまた泣いてる!! もー、お兄ちゃんがそんなに泣いてるとリンまで悲しくなってきちゃうよぅ」 あ、わわ。ど、どうしよう。リンちゃんまで泣き出しちゃったよ。 え、えとえと、こんなときあの子ならたぶん…。 そぉっと腕をリンちゃんの頭に伸ばしてなでなですれば笑ってくれた。 よ、よかったぁ。 「お兄ちゃんごめんね?リン女神さま大好きだからいっぱい喋っちゃったけどもしかして嫌いだった?」 「…っ。嫌いじゃないよ。ねぇリンちゃん、もっと女神さまのこと教えてくれない?」 ボクの知らないあの子がいる。あの子のこと知りたい。 「ほんと!?じゃあリンのおうちに来て!リンのね、おかあさんがね、とぉっても女神さまのこと知ってるんだぁ」 「え、あ、ちょっとまってぇえええ」 すんごく輝いてる笑顔を見せてくれたのは嬉しいけどいきなり走りださないでぇ!あの子にも振り回されてたけどそれとおんなじくらいリンちゃんもパワフルなんだね。 …ボクが戸惑ってるのに気づいててもにっこり笑顔で腕を引っ張って走ってくところは似ないでほしかったなぁ。 「じゃじゃじゃじゃーん!ここがリンのおうちだよ!!」 手を離して示したのは宿屋さんのマークが下げられているこじんまりとしたっていうのかな?宿屋さん。中からはとっても楽しそうな声がきこえてきてるんだ。 って、あれあれ?どうしよう!ボクお金持ってないんだけど…。 こんなことを考えている間にリンちゃんは「おかあさーん!お客さん連れてきたよー!」なんて言って中に入っていっちゃった。 どうしよう、今日はすぐに帰る予定だったからお泊りできるお金なんて持ってきてないし…。でも、リンちゃんはああ言っちゃったから入らなきゃおかしいもんなぁ。 「おーいそこのあんちゃん。リンに連れてこられたんだろ?お金のことなら気にしなくていいから入ってきな」 あわわ、ボクが扉の前に立ってるのバレちゃってる。 呼ばれちゃったし仕方ないよね?ボクは意を決して扉をあけた。
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