第2話【疑問】好きと愛しているの間には。

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ドキン、ドキンと、 うるさいくらいに鼓動が跳ね回った。 まさか。 まさかよね? 信じられない思いで、画面を目で追う。 その選手は、ブッちぎりでゴールを決めた。 わき上がる歓声。 そして流れるアナウンス。 『ゴール! 逆転ゴールを決めました、伊藤貴史選手! 見事な、逆転ゴール!』 『イトウタカシ』って、言ったよね、今? 思わず、テーブルを脇に退けて、テレビの前まで這っていく。 再び彼が映るんじゃないかと、固唾を飲んでテレビの画面を食い入るように見詰めていると、ゴールの様子がスローモーションで再生された。 大柄だろうサッカー選手の中にあっても、飛び抜けた長身。 日に焼けた、小麦色の肌。 ボールを追う真っ直ぐな眼差し。 「伊藤……君?」 本当に伊藤君なの?
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