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サッカーか……。
高校の時。
ううん、中学の時からずっと。
暇さえあれば、グランドを駆け抜けていく彼の姿を、目で追っていた。
真っ直ぐ、ボールを追いかける真剣な眼差しに、小さな胸をドキドキと高鳴らせて。
ただ、遠くで見ていられるだけで、
それだけで、幸せだったあのころ。
ふと、
脳裏に浮かぶのは、忘れられない、『あの日』の光景。
まっすぐなハルカの眼差しの向こうに浮かんだ、彼のちょっと照れたような笑顔――。
忘れたはずの古傷が、胸の奥底でズキンと、微かな悲鳴を上げる。
思い出したくなくても、思い出しちゃうんだから、
こんなテレビ見なきゃいいんだけど、それでもついつい見てしまう。
何かで繋がっていたい。
『彼に』
心の何処かでそう思っている自分がいる。
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