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すると物陰から人が飛び出してきた。
人、壁、痛
感じた順だ。
人が急に現れたと思いきや、何故か当たり負けして、尻餅ついて、鈍痛が走る。
なんだ、なんだ、何故、女子生徒に当たり負けしてるんだ。
その女生徒は、白く決め細かな肌、鋭い目、口は艶やかだ。
端正な顔立ち、そう評するしかないくらいの美貌。
青がかった紺髪を肩辺りまでで切り揃えており、光をキラキラと反射させている。
「あら、ごめんなさい。大丈夫かしら、まぁ男の子だしなんともないわよね。それともヤクザのように私に何か請求するのかしら。落ち度は此方にあるし、それなりのことは受け入れようと思うのだけれど」
今、この時代にそんな口調があるのか、と言うくらいに芝居染みている口調で、一気に捲し立てるように、鋭い眼光で、冷たい視線をこちらに浴びせながら立ち止まっている。
「いや、僕も悪かったんだ。ボーとしてたから」
「そう、なら早く起き上がって?」
今、ようやく僕は尻餅ついたままなのだと気がつき、シュババっと立ち上がる。
「では、私は行くわ。」
ゆっくりと体が重いかのような鈍さで階段を降りていった
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