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今の女の人は何だったのだろうか。
嵐のように去っていったあの子とぶつかってから肌がピリピリする。
ぶつかって肌が荒れたとか、そんなのではなく、感覚的に。
例えて言うなら猫毛が逆立つと言ったものだ。
そんなのは冬杜以来だ。
だからこそ。
嫌な予感が走る。駆ける。抜ける。
pullllllll。
「おっと、誰かからメールだ」
僕に連絡するなんて、親、妹双子の、柚子ちゃん、夜子─ヤコ─ちゃん、それに冬杜くらいだ。
開。驚。
『怪我はしてないかな、大丈夫?』
そう、ディスプレイには表示されており、送り主は冬杜だった。
あの恐ろしいほどに、なんでも知っている冬杜さんだった。
元来、己の許容を超えるものは恐ろしく、化物で、受け入れがたい、そんな格付けになるものだ。
ひょっとしたら、そんなものでは測れないかも知れない、故に。
恐ろしい。
「いやいや、待て僕。これはおかしいだろう。何故、冬杜が知ってるんだ。あんな小説によくある、たいして格好も良くない、ほぼ侮蔑のような台詞を言ったところで、意味ないッ!!」
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