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僕は校内廊下を歩く。
白を基調とした綺麗過ぎるほどの廊下を歩く。
ひたすらに。
休日とあって、誰もいない。
用があり教室に向かってるのだが、暇だ。
だから、ここで僕とは何か
それをハッキリさせようと思う。
決して、今ではあり得ないラブレターめいた古式な紙が下駄箱に入っていて舞い上がってる、とかそんな訳じゃない。
断じて否。
と、言うわけで、僕は
祇園 空詩─ギオン ララ─、そんな名前に間違いはない。
可愛らしい名前のくせして男だ。
そこにも間違いはない。
僕は動機が激しくて舞い上がってる。
そこは間違い………って、もういいか。
現在、高校1年、春休み。
僕は相も変わらず平凡だった。
そう、“だった”んだ。
何をやっても平均値。
僕のテストを見ればすぐに平均がわかる、走るタイムを聞けば、ソレが平均。
そんな平凡こそが僕の唯一の“才能”だった。
そこに間違いはないんだ。
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