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もしも仮に、身内が困っているのなら、問題に直面したのなら。
僕は自分を犠牲にして、なんでも使って解決を手伝うだろう。
いや、絶対に手伝う。
「ごめん、柚子ちゃん、もうやめよう。価値観が違うんだから話しても埒があかない」
「本当に、ワタシ達の事が大好きだよね、お兄ちゃんは」
何を見て、思ったのだろうか。
「いや嫌いだよ。いつも気にしてないといけないくらいにな」
嘘だ、半分だけ。
でも訊かれたらこう答えてしまう。
家族ゆえに、正直には答えたくなかったりする。
「なにそれ、ムカツク」
ちっともムカツいてない口調で、そう言っていた。
それから談笑して、ご飯を食べて、夜子ちゃんが帰ってきて、両親も帰ってきて。
僕は自室に戻るのだった。
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